「栓」が詰まる乳腺炎じゃないものもある

授乳

こんにちは!

一宮で母乳の出張ケアや産後のバランスボールレッスンをしています助産師の今川です。

乳腺炎や、しこりができた時

ケアをしていて、原因が分かりやすいものと分かりにくいものがあります。

わかりやすいものは、”乳栓”と呼ばれる塞栓物が原因で、乳汁の流れを妨げられてお乳が溜まってしまい炎症が起きてしまうもの。

しかし、なかには塞栓物が出てこないケースもあります。

お乳の通り道が狭くなっているというのは、ケアしていてよくわかります。

でも、中で起きていることは、何か栓的なものがあって狭くなっているのか、またそれが奥の方なのか、乳首寄りなのかも正確にはわからないものなのです。

そこで、私が行なっているのは

赤ちゃんの吸い方に模倣した手技で刺激をし、射乳反射を起こし、その出の悪い腺を狙って分泌させ、お乳の通り道の流れをよくさせる

ということをしているんですね。

だから、

・出が悪い状態でかなり時間が経っていたり

・過度に冷やされ過ぎている

・・と、射乳反射が乏しくなってしまい

ちょろちょろとした水圧では中に泥が入ったホースを綺麗にできないように、

なかなか流れの良い状態にできないという事態に陥ることがあるのです><

ケアによって分泌が増えてくると、赤ちゃんの吸いも良くなり、治っていくという経過をたどり、結果よかったよかったとなるのですが、

お乳の通り道を狭くしていたものはなんやったのか・・は、謎に包まれたまま。

「通り道を塞ぎかけていた栓は赤ちゃんが吸い取ってくれているのだろう」

そういう解釈でした。(そのように習ってきた)

しかし、最近新たな知見が言われるようになってきました。

まだ仮説なので、可能性としてある・・くらいに思って読んでください💦

お乳の通り道の中の常在菌のバランスを崩す説

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)って聞いたことありますよね。

おんなじように、乳管内(お乳の通り道)にも常在菌細菌叢というのがあるという考え方。

その細菌叢は乳管内腔の内壁にいて、薄い幕を張ることがわかってきたようです。

薄い膜なので内壁に沿うようになっており、お乳の通りを妨げることはないのが正常な状態なんだけど

ある菌が優勢になったりして、バランスを崩すとその壁が一部、分厚くなったりして、

それが通り道を狭めている原因になっているのではないか・・という説だそう。

これは仮説だけど、

これだと説明がつくなと納得する事例もたくさんあるんですよね〜。

なるほどなるほど。

もう一個仮説があるんだけど、文章で説明するのむずいから省きます(笑)

で、ここからが私が今日言いたいことです。

乳房マッサージではなく乳房ケア

この仮説をお話ししてくださった産婦人科の医師がね、

助産師さんは乳房マッサージしているけれど、炎症している時に、悪いところをマッサージするのは良くないから・・

的なことをおっしゃっていて、、

すごく誤解があるなと><

マッサージというと硬いところをもみほぐすようなイメージですもんね。

無理はありませんが・・涙

私が勉強してきた乳房管理の協会では、そのような意図がありマッサージという名称を使わないように提唱していました。

なので、私もあえて「乳房ケア」と明示しているんですよね。

乳腺炎の方も、しこりの方も

「痛くなくてびっくりしました!」

と言ってくださるんですが、痛いところ、溜まっているところをもみほぐすようなことをしないからですね^^

流れが良くなれば、炎症も治っていく方がほとんどですのでご安心ください❤️

助産師によって乳房ケアのスキルがバラバラ・・・ということが産後のママたちの立場から見たら「なんでやねん」と言いたいところだと思いますが><

それぞれの専門職が知識を共有しながら授乳中のママを支援できると最強だなとつくづく思っています。

最近は自分の経験による知見や助産師界隈からのインプットに驕らずに、

歯科医師、理学療法士、産婦人科医師、乳腺外科医師などの講座でお勉強したりして

改めて色々な知識がつなげて考えることの大切さを感じてます。

それをしっかり現場で活かしていきますね!!!

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