助産師がすすめる妊娠中の体作り【家でもできる運動】
今日は、
妊娠中の体づくり についてのお話です。
お腹に赤ちゃんがいて、どんどん大きくなってくると、
腰が痛くなったり、肩こりもひどくなったり、
股関節や恥骨が痛くなったり、足がつりやすくなったり・・・
筋力や体力の衰えも感じると思います。
そんな中で、コロナ対策でどの病院も集団の妊婦向けエクササイズは中止していて
「妊娠中の体作りってどうやって体を動かしていいの?」
「一体何をしたらいいの?」
と思っている人が多く、
妊婦さん向けのオンラインサロンなどで、こういった質問受けることが多くなりました。
今日は妊娠中の運動・安産・そして産後に向けての体づくりについてまとめていきます。
体を動かすことで気持ちは前向きになります。
そして安産に向かって体づくりをしているという満足感も得られるし、
妊娠生活が豊かになります。
実は、こうして妊娠中に体づくりすることは、安産ばかりではなく産後を迎える上でもとても大切なこと。
体力・筋力が人生でいちばん低下している時期に育児開始となるので、
万全にしておきたいですよね。
私は、産後を専門に地域で活動をする助産師ですが、
開業から4年経ち、やはり産後の関わりだけではなく
妊娠期から産後の知識をつけたり、体づくりをしたり
が必要だという思いが日に日に増してきています。
なので、私は妊婦さん向けの講座やコンテンツを増やしているところです。
というわけで、今日は妊婦さんの体づくりをテーマに解説していきます!!
目次
この記事を読んで、体づくりしていきましょう!
妊娠中の体の変化
40週の妊娠期間でたくさんの体の変化が起きてきます。
書き出すとキリがないので、
運動の上で抑えておきたい変化をピックアップしてお伝えしていきますね。
姿勢の変化
このイラストのように、猫背の姿勢は腹筋や背筋を使わないので、ついついやってしまう姿勢。
ですが、肋骨が下がって、お腹の中のスペースが小さくなっているのが一目瞭然ですよね。
お腹のスペースといえば、赤ちゃんがいる子宮があります、
他にも大切な臓器があります。
圧迫してしまうと、内臓や胎盤の血流にもよくありません。(これが便秘や産後太りの要因とも言われています)
そして、
お腹がどんどん大きくなると、重心が変わりバランスを保とうとするために腰を反らせてバランスをとるという姿勢もやってしまいがち。
これは、腰に負担をかけ痛めてしまう原因になってしまいます。
これに対して、正しい姿勢を修正できるよう妊婦のうちから取り組めると産後の体型戻しや腰痛予防にもなります!!
関節・靭帯の変化
妊娠中はリラキシンというホルモンが分泌され関節が緩みお産に備えていきます。
なので、歪みやすい状態ともいえます。
産道は分娩3要素の一つです。
分娩三要素とは
①娩出物(つまり赤ちゃん) ②娩出力(つまり陣痛) ③産道(骨産道・軟産道)
この分娩の要素である産道を整えることは、安産に繋がります。
では、産道とは何か・・
骨産道と軟産道があって、骨産道は骨盤、軟産道は子宮口、膣壁のこと。
妊娠中太っちゃうと、産道にお肉がついて難産になると聞いたことあると思います。これが軟産道のことですね。
リラキシンで影響を受けるのは骨盤。ここも産道です。綺麗なお椀のような形の穴を赤ちゃんが通ってくるので、歪みのないように整えていきたいですよね。
それに、骨盤というのは体の要。
その上に背骨が伸びているという構造なので、骨盤がグラグラだと姿勢が保ちにくくなるのです。
なので、ただ筋力不足ということだけではなく、前述した姿勢の変化にもつながってくるのですが、
骨盤の妊娠による影響で姿勢も悪くなりやすいという状態なのです。
体の水分や血液のめぐりや呼吸の変化
他にも、
お腹が大きくなって、呼吸が苦しくなったり、
体が浮腫みやすかったり、
浮腫のせいで痺れが色々なところに出現するマイナートラブルもあります。
血行は子宮が大きくなると大きな静脈(動脈は圧迫しても潰れない弾力を持ち合わせている)が圧迫されて、寝辛かったり、
身の置き所のない倦怠感で不眠になる方もみえます。
体を動かして、血行をよくしてあげることは、体を快適に保つことにも、さらには胎盤の血流も促して赤ちゃんにたっぷりの
酸素と栄養を届けることに繋がります。
妊娠中どんな運動ならしていいの?▶︎掃除、ビクス、ヨガ、ストレッチ
妊娠による体の変化を見ていくと、
整えるための、何かやりたくなりますよね。
しかし、世の中はコロナ禍。
産院の妊婦向けの講座は中止しているとこが多く、妊婦さんはどこでどんな運動したら良いか分からないという方が多いです。
マタニティスイミングなどは、その環境がないとなかなかできないですが、
おうちでヨガ・ストレッチは手軽にできると思います。
心拍数が上がってしまう強度の高いものは勧められていません(心拍数150回/分以下)
こうしたエクササイズはオンラインで講座があったり、YouYubeで多くの動画が上がっていますよね。
この時の注意点は次の項目で解説しますね^^
あとは、ウォーキングや全力掃除です。これも良い運動になります。
昔からよく言われているのが雑巾掛け。
程よく出産時に必要になる骨盤周りの筋肉を刺激してくれます。
妊娠中いつから運動していいの?▶︎いつからいつまで
初期はつわりがあったり、赤ちゃんにとっても内臓の素が作られる大事な時期。
安定期に入って、妊娠による他の病気が合併おらず、医師からの運動制限を受けていない方は大丈夫。
一般的に胎盤が完成した後、妊娠16週以降が望ましいとされています。
いつまで・・というのは、ずばり産むまでです^^
切迫早産で入院して24時間安静というような人は、さらに血行が滞り不快な症状が辛いと思います。
せめて、足首を回したり、かかとを突き出して、足の指先伸ばしてなど、ふくらはぎをストレッチしたり、横になりながらでもできる体操がオススメです。
妊娠中の運動の注意点(健康チェック、胎動チェック、腹圧注意)
最初、妊婦の体の変化で述べたように、
お腹のスペースは保ようにして潰さない事。
また、ヨガやストレッチの際は
股関節を広げなきゃ!!と無理して開脚する必要はありません。
元々体が硬い方が、股関節を広げすぎて恥骨結合も緩んでいるため危険です。
また途中でお腹の張りを感じた時は運動を中止し横になって休んでください。
運動を行う前は以下のことをセルフチェックしてみてくださいね⭐︎
・体調が良いか
・20週以降のかたは胎動があるか
・出血やお腹の張りがないか
外に行くとに、マスクしてウォーキングするのは、ただでさえ息苦しい妊婦さんには辛いものだと思います。
周りに人がいなければマスクを外してウォーキングすることをオススメします。
(車に一人で乗っている人も、一人で歩いている人も、批判を恐れてか?みなさんマスクをつけています)
ちなみに、私はオンラインで
妊婦さんのためのストレッチ講座を月に一回開催しています。
体の変化や気を付けるポイント、助産師の視点も混ぜなあがら
出産や産後に備えられる体づくりを意識してレクチャーしています。
今日は、妊娠中の体作りについてまとめていきました。
出産は富士登山やフルマラソンに例えられることもありますが、
エネルギーも筋力も使います。
妊娠中、合併症のない方は、過度な安静は必要ないので、できそうな運動を是非是非やってみてくださいね^^
この記事が誰かのお役にたちますように。。
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