助産師が伝授!陣痛を和らげる方法【出産が怖くなくなる】
「出産がこわい」
「陣痛に耐え切れるの?」
「陣痛を和らげる方法は?」
今日はこういった不安にお答えする記事を書いていきたいと思います。
今まで、看護師として助産師としていろんなお産を見てきて、自分自身も出産を2回経験しました。
痛みのあまり猛獣化して分娩台で大暴れ。
下にいる医師の頭を横から産婦さんがキック!という現場を目撃したこともありました。
なので、
自分の初産の時・・
自分が働いていた施設で産むということで、
かなりプレッシャーでした。
同僚や先輩たちの前でどんな姿になってしまうんだろうと・・。
しかし、そんな不安は取り越し苦労でした。
持ち前の知識が役に立ちました。
やはり、正しく知識を持っておくことは大切だと確信しています。
私は初産からとてもお産を楽しめました。
お産直後から「もういや!」という人もいる中で、
私は「これなら大丈夫。また産める!」
と出産直後から思ったほどです。
スムーズな出産はその後の育児(母乳も含めて)にも影響してきます。
是非、この押さえとくべきポイントを知り、出産に備えて欲しいと思います。
目次
呼吸法ばかり注目されがちですが、他にどんな陣痛の和らげ方があるの?
どういうメカニズムで痛みが和らぐの?
そういったことイメージできておくだけで、
かなり安心した状態で出産を迎えられると思います。
たくさんの引き出しがあった方がいいですよね!
コロナ感染防止による対策で、立ち会い出産が制限されている施設が多い中で、
不安が大きい妊婦さんが多いと思います。
そんな方が、よし!こんな風に乗り切っていこう!と出産により良いイメージで迎えられるようになったら嬉しいです。
βエンドルフィンを味方につけよう
脳内麻薬とも言われる、このβエンドルフィン。
陣痛の時にこのホルモンが出ることによって、人間は陣痛に耐えることができると言われるくらい、
このホルモンは強い鎮痛作用があります。
しかし、このβエンドルフィンの分泌を邪魔する奴がいるんです。
それは、恐怖・孤独・不安などで分泌されるアドレナリン。
つまり交感神経が優位だと、自然に分泌するはずのβエンドルフィンが抑制されてしまうということなのです。
せっかく自然にありがたい脳内麻薬が出てくるのに、それを使えないなんて、、
こんな持ったない話はありません!
自然由来のβエンドルフィンの恩恵を目一杯受けるには、反対に副交感神経を優位にする、
つまりリラックスすること。
これに尽きるので、この具体的な方法をみていきましょう。
リラックスを作るには呼吸法
副交感神経を優位にしてリラックスを作るには、呼吸法がもってこい。
心拍は自分でコントローつできませんよね。
しかし呼吸は自分でコントロールできます。
それによって、こうして自律神経の副交感神経を優位にするということが自分でコントロールできるように人間はなっているのです。
怖い時、
不安な時、
知らず知らずに呼吸はどうなっていると思いますか?
止まったり、あるいは浅くなっています。
それを意識的に深くしてあげる、
それにはまず、息を吐くことです。
息を吐くことで、次は勝手に肺がスポンジのようにしぼんだら今度は勝手に膨らんで空気を吸います。
なので、吐く息に注目すること。
できるだけ
長く、細く、ろうそくの火を消すように。。。
これによって、副交感神経を優位にして体はリラックスすることができます。
すると、全身の不要な力も抜け出産も進みやすくなります。
陣痛を受け入れる
交感神経はβセロトニンの分泌を邪魔すると言いましたが、
その交感神経を優位にするのは、恐怖や不安もおおきな要素です。
怖い怖い
痛い痛い
ヤダヤダ!
と思えば思うほど、痛みは増してしまうのです。
なので、
赤ちゃんと対面させてくれるありがたい陣痛ちゃんを受け入れる
という心持ちが、エンドルフィンを味方につける大切なことになります。
痛みの感じるレベルをあげるためにできること
痛みを感じ始める頃、強さというのは、本当に人それぞれ。
例えば、同じように子宮口3㎝でも、喋ったり歩いたりできないほど、
・全身の筋肉を硬らせて痛がる人
・「痛いですね〜」と言いつつ割と表情変えない人
・「まだ全然大丈夫です」という人
などそれぞれ。
痛みを感じるレベル(閾値と言います)が、低ければ痛みを感じやすく、高ければ痛みを感じにくい状態と言えます。
ここでは、この痛みを感じるレベルをあげるためにできることをお伝えしていきますね!
声かけ・会話(リモートでも)
よく出産の時、放置されてとか、いう方は
摩ってもらったりできない上に、コミュニケーションが取れないということになります。
辛く、痛かった思いしか残されていないのではないでしょうか。
例えば、すごい安産で、明るく、笑って終わった出産って、
まさに産む直前の直前まで、
産婦さんリラックスして喋ってます。
割とギリギリまでお話している方は、かなり落ち着いた出産です。
笑いいっぱいの、すごいいい雰囲気なんです。
陣痛の波がくると、流石に黙って、呼吸に集中して陣痛を逃す。
で、落ち着いたら、普通のテンションで「まだ、名前決まってないんですよ〜」なんて話し始める。
でも、コミュニケーションによってリラックスできていて、
リラックスできる分、出産も進みやすくなるので、順調にすすむ効果があります。
「痛い痛い」と痛みにフォーカスするのではなく、
痛みの波を乗り越えたら、コミュニケーション。
なので孤独なお産はそう言った意味で辛いものとなります。
オンラインでいいので、繋がってコミュニケーションとって欲しい!です。
いざ、赤ちゃんが降りてきて自然な怒責感が出てくる頃、周りの応援も必要と感じてます。
もう何時間もかかって力尽きそうな産婦さん。
あと一息で生まれそう!なのに、踏ん張れない・・そんな時に
みんなで頑張れ頑張れ!と陣痛の波の時に鼓舞することで、赤ちゃんの頭がぐぐ〜っと進んでくる
というのはよくあること。
みなさん、マラソンランナーが観客の応援に力をもらうというのをよく言いますが、
同じ感じです。
なので、今、
立ち合いがダメだとしても、
オンラインでつなげて、陣痛の合間にコミュニケーションとったり、応援の声をかけることは、
家族ができる大切な役目だと思います!
とにかくさする!(ゲートコントロール)
痛みの神経を通るゲートを閉めちゃうという理論があります。
そのためには、
触覚(皮膚の触った感覚)や圧覚(圧迫する感覚)を脳に伝える太い神経繊維を使うことで(脳に早く到達)、痛みを脳に伝える細い神経繊維のゲートを閉めるというもの。
なので、たくさんの触覚・圧覚刺激を使うために、
お尻のあたり、仙骨のを圧迫したり
背中や腰をとにかくさすることで痛みが楽になるんです。
なので、遠慮がちにそろそろさするより、圧を加えながらダイナミックに摩ってもらった方が楽になりました。
(人によって感じ方が違う場合があるので、力の加減やさする場所はその都度本人に確かめながら行うのがベストです)
これって、子供が痛い〜!(泣)となったときの、
「痛いの痛いの飛んでけ〜」とやってること一緒。
不思議と、さすると和らぐというのは気のせいでもないのです!
神経学位的な理論があるということです^^
男性がさするときは、やや遠慮がちになったりするので、圧が加わらず、産婦さんに「んもっ違う!」と言われてしまう現場もかなり目撃します(悲)
実際、「夫にやってもらうより、助産師さんに摩ってもらうと不思議と本当に楽になりました!」と言われることも多いのですが、
「出産の時は男は無力だな〜」と思わせてしまうより、役割がしっかり持てた方が
夫婦互いに一緒に乗り越えたという一生の思い出になりますので、
本番前にこの記事をシェアしてパートナーにも読んでもらうのもいいかなと思います!
足を温める・つぼ押し
足を温めることで、足なので体の一番末端ですよね。そこが温められ
温められた静脈が心臓に帰る際に、通っていく子宮も温めてくれます。
温められた子宮は収縮力をUPさせ、安産に繋がります。
子宮収縮が弱いと、出産に時間がかかり、体力が消耗して、余計子宮の収縮がさらに弱くなるという悪循環に陥ってしまい、赤ちゃんが苦しくなってきてしまったり、怒責ができず吸引分娩になってしまったりと、
医療か介入が必要な事態に発展することも。
安産といえば、
とても有名なツボがあります。
「三陰交」といううちくるぶしの4指上なのですが、
ここを足を温めながら、ツボおしするのもパートナーや自分でできるうちは自分でやるのもオススメのケア。
足を温めるのは
足浴と言って、バケツにお湯をはって温めるものから、レッグウォーマーやカイロで温める方法まで様々です。
その時の状況に応じて選んでやってみて欲しいです。
これは、陣痛を起こすツボではないのでいくら、妊娠後期に早く産みたい!と思ってつぼ押ししても
陣痛はおきませんのでお間違えのないようにです!
さらに備えるためのオススメ
参考図書
これとても好きな本です。
医療従事者用の参考図書になります
そして、このような出産講座、無痛分娩のこと、バースプランのことなどなど個別の妊婦さん向けの講座を
オンラインで開催しています。出産編の他に母乳編と産後・赤ちゃん編があります。
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SANGO講座の詳細
さて、陣痛に対する恐怖、不安ある方、いかがでしたか?
安心に繋がっていたら幸いです!
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