産後ケアは贅沢品ではありません
こんにちは。
産後を専門にしている助産師の私ですが、
「産後ケア」「セルフケア」ってまだまだ定着していないと感じます。
なかったら生きていけない分野ではないレベルではないため、人々の中で後回しになってしまう分野なのです。
産後ケアかか・・とどこか他人事で、
セルフケアなんて、余裕ないし・・と、自分ごととして捉えられない方も多いのではないでしょうか?
しかし、タイトルの通り、産後ケアもセルフケアも贅沢でもなく、余裕のある方が受けるのでなく、
余裕がないからこそ、産後をケアする必要があって、自分のセルフケアを身につける必要があるのです。
今日は余裕がない産後の状態とは?というとことから、当院の産後ケアの内容を紹介していきたいと思います。
目次
産後の余裕がない状態とは?
- 妊娠中はとにかく安産に備えることが一番
- 赤ちゃんはおっぱい飲んだらネンネしている
- 赤ちゃん産んだら母性が溢れ出てきて眠らなくても平気
- 産んだら体は楽になる
- 産んだら夫婦は勝手に協力体制ができて絆が深まる
- 仕事も子育てもお洒落もやってのけるのが憧れのスーパーウーマン!
SNSからの情報が嫌でも目に入るこの世の中。
赤ちゃんやベビーカーはファンションアイテムの一つのようになって、 出産直後からキラッキラのメイクをしてヒールを履いているママとかをみて想像していると、 かなりのギャップを感じると思います。
何も落ち込みことはありません。
これらは、全部作り上げられたもの。
産後のリアルは、こうではありません。
「体が自分のものじゃないみたい。」「 疲労感がつきまとい、回復やケアの方法もわからない。」「 おっぱいは痛いし、」「あかちゃんのぐずり、寝不足が辛い」「外にでられない。」
上記のような情報が入っていると赤ちゃんはかわいい…なのになんでこんなに気持ちが沈むの…って。
自分を責める方向に向かってしまいます。
これは、脅しではなく、産後のリアル。
産後のリアルな情報を知っておくだけも、産後の備えになるということです。
体はすぐに出産前に戻るわけではないし、出産による体内のホルモン環境の大きな変化や自律神経もバランスを崩しやすく、精神的にもリスキーな時期です。
まず、それが産後の状態であること。
そこを知らないと、この不安感を表出するにも周りは赤ちゃんが生まれて「おめでとう!可愛いね!」のオンパレードで、「自分はおかしいかもしれない」と思い続けて、とても周りに言えないということもあるのです。
心と体は繋がっています。
体が回復しきっていない産後の状態で、母性や精神論で乗り切ろうというのはナンセンスです。
きちんとこの時期にケアを受ける、セルフケアをする。
その概念がないと、周りも自分も120%赤ちゃんに注がれ、全く後回しになってしまいます。
産後の方への情報になるのはもちろんの頃、妊婦の時から知ってもらえるよう情報を届けていきたいと思います!
次に、産後専門の助産師がオススメする産後ケアについてまとめていきたいます。
産後にオススメの当院の産後ケア
妊婦検診までは手厚いのが自治体の母子保健事業。
ここ数年、産後ケアの必要性が叫ばれてようやく各自治体で取り組み始めていますが、地域によりかなりの差が見受けられます。
世の中の流れ的にとりあえず、ちょろっと予算を積んで形ばかりの産後ケアを行っている自治体もあります(怒)とにかくまだまだ産後の支援は赤ちゃんの検診など、赤ちゃんのフォローにすり替わってしまい産後女性のケアまで行き渡っていないのが現状なのです。
出張母乳ケア
出産後たった5日で退院となり、その時点で母乳が起動に乗っているか・・と言ったら、ほとんどがそうではありません。
この母乳の不安が精神的にも負担になったり、メンタルが落ち込む引き金になることも多いです。
当院では退院したその日から出張し授乳指導を個別でしっかり行い、乳房ケアで赤ちゃんが飲みやすい状態を作り、日常でできるセルフケアをお伝えしていきます。
しこりや乳腺炎、白斑、乳頭亀裂、授乳拒否、卒乳・断乳ケアに対応していきます。
出産後から卒乳まで頼れる場所でありたいと思っています。
産後ケア教室
産褥期と言われる産後8週間はゆっくり体に負荷をかけないように過ごします。
こちらの産褥期の過ごしから参照(準備中)
産後2ヶ月から受講できる、こちらの産後ケア教室が心と体のリハビリです。
リハビリということは、、自分で体を動かし、自分で思考を整理するようなワークをし、セルフケアを身につけると言った内容で取り組み型というのが特徴。
受けるケアばかりでなく、体や心を取り戻していくには主体的な取り組みが必要。
ここでは、赤ちゃんと一緒に有酸素運動を行い楽しみながら自分の体の状態と向き合うことになります。
お腹の筋肉は明らかに弱っています、それに伴って姿勢の変化が起きて、背中や腰に負担がかかっています。
不安や緊張も伴い、日々の育児動作の中で肩や首がガチガチになってしまいます。
こちらの産後に適した有酸素運動ではバランスボールを使って体をほぐしながら、心肺機能や筋肉を回復させただしい姿勢や体の使い方をレクチャーすることによって日常的にも自分ケアができることを目指しています。
また、心の整理ができたりコミュニケーションワークができるのも教室の大きな特徴。
大人との会話に飢えていませんか?
社会から離れて孤独感を感じたり、自分のことについて話したり考えたりする機会が失われやすいこの時期。
周りの仕事ぶりを見て焦ったり、復帰後のことを考えて不安になったり、家にいて給料を入れていないという負い目から夫婦関係のバランスがなんだかギクシャクしてしまったり、
産後という変化の中で、このライフステージで是非考えて欲しいテーマが3つあります。
人生・仕事・パートナーシップ
です。
これらは産後を起点に大きく変化していいます。
自分の中で漠然と考えていても堂々巡りになったり、ネガティブになったり、後回しにしたりしがち。
ここでは、ペアワークやシェアリングしながら、マインドマップで思考を整理したり、話す(アウトプットする)ことで自らの思いに気づいていく機会になります。
オンラインの4回コースもあります(どの地域の方も受講できます)
産前産後の母親サロン
こちらは、妊婦さんと産後の方が交流できる場。
私が進行役となって、皆さんのリアル産後の状況をお聞きしながら、産後の振り返りの場、そして妊婦さんの産後の備えとなように進めていきます。
助産師であり、産後セルフケアインストラクターの私が、産後の心と体の状態を解説しながら、皆さんの状況を紐解いていきます。
無我夢中で送ってきた出産直後の状態を振り返って、我慢してきた思いを成仏させる方も見えますし、そんなの備かたがあったのねと眼から鱗の方もいます。
そして次の産後に是非役立てたい!という方、気持ちの整理になり前向きになりました!など多くの喜びの声をいただきます。
自治体の産後ケア・産後サポート
では、次に自治体で行われている産後ケア・サポートについてです。
これは自治体によって内容がかなり変わってくるので、参考程度でご自分の地域でのサポートを探すのにお役立ていただけたらと思います。
産後ケア事業
産後ケアの内容は各自治体の差が大きいところ。対象期間、補助額や産後ケアの内容にもばらつきがあります。
だいたい宿泊型と訪問型があります。
宿泊型は助産院など専門の施設で、赤ちゃんのお世話のサポートを受けながら養生する形。
訪問型は助産師がおうちに出張し、話を傾聴したり、不安ごとや質問にお答えしたり、沐浴・母乳ケア・授乳サポートなどを行います。
産後ヘルプ事業
この事業に登録している援助者が家に来て家事・育児をしてくれます。
こちらも対象となる期間に自治体によってばらつきがあるので、皆さんのお住まいの事業を調べてみてくださいね
産前産後の保育園(上の子対策)
一人目以降の出産の場合、自宅保育するのか、保育園に頼るかという選択があります。
赤ちゃんの首の座らないうちは特に、動きたい盛りの幼児を家の中で見ることが難しい状況となり得ます。
また、自分も手一杯になり、気持ちも不安定な産後という状況下で上の子にあたってしまい寝顔を見て涙するということも少なくありません。
自分もイライラ、子供も思ったように遊べずイライラ、、このような不健全の状態の救いが保育のプロにお任せするという選択です。
ファミリーサポート
そんな保育園に連れていくにも足がない!という方は、こちらの支援もあります。
ファミリーサポートセンターが地域の援助側の登録者とマッチングしてくれます。
事前登録が必要で、支援する方との面談もあるので、合う合わないを事前に判断することができます。
が、私の住んでいる地域では、支援者の登録<受援者(サービスを使いたい人) となっており、支援者が見つからないということもあるようです。
支援者登録が増えることを切に願っています。
家族だけでは子育てが回って行かない昨今、家族の垣根を超えた支援の充実が必要です。
保健センター(個別相談)
赤ちゃんのサポートは1ヶ月健診が終わったら、4ヶ月健診まで3ヶ月あるので、
そこで、赤ちゃんの体重の増え方などに不安がある方は個別に相談することができます。
自分のメンタルのこと、赤ちゃんのこと、病院にかかるほどでもないけれど、ちょっと相談したいという場合、こちらに頼ってみてください。
産後サポートは民間サービスもあります
産後ドゥーラ
訪問型の寄り添って母をサポートしてくれます。
抱っことおんぶのレッスン(グループ&個別)
赤ちゃんも母親も心地よい抱っこを伝え広めている協会です
産褥ヘルプ文化で、コミュニティで支え合う!
これは、有料サービスではなくコミュニティで産後の母子を支え合おうという文化のことです。
産後ケアや支援は贅沢品ではない
長々と、当院のケアや自治体の産後ケア、そして、民間サポートのなかも産後ケアから育児技術や自分や赤ちゃんのケアまで多岐に渡すサービスをまとめてみました。
この産後という時期は、こうして色々な人が関わって乗り切っていきことが大事でです。
両親が遠方、両親が共働き、夫は仕事で休みも少なく帰りも遅い!など産褥期のサポートが回らなかいのが今の世の中。
「他人を家に入れるなんて」
「産後ケアにお金を使うなんて」
「友達にそんなことお願いするなんて」
「子供保育園に入れるなんて可哀想」
などなど、サービスを使う時にブロックとなるこうした思いが湧いてくる方もおられると思いますが、
産後のケアも支援は贅沢品ではなく、必要不可欠なもの。
産後のケアになるものを手配し、環境を整えること、産後ケアを受けるのがスタンダードな世の中なるよう活動しています。
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