母乳の相談は病院?助産院?それぞれのメリット
母乳育児をしていて、「母乳の悩みを相談したい」「ケアを受けたい」という時、
みなさんどこに相談しようか迷いますよね。
各専門機関の違いがいまいち分からないと言った声も聞こえてきます。
そして、
よく耳にするのは、助産師さんが病院以外にいるのを知りませんでした・・という声。
産後サポートできる助産師がいることも認知が低いのです><
今回、母乳育児中の悩みに対して
「どこに相談にいったらいいのか分からない」
「病院?助産院?保健センター?それぞれ何が違うか知りたい」
「検索や選ぶ時のポイントは?」
という疑問に答えていきたいと思います!
もくじ
このような流れでお話していきます。
私、自身は開業して出張で母乳ケアを行っている助産師。なので、助産院を勧めたいところですが、
それぞれの専門機関の特徴を知った上でみなさんが自分で選択するということが大切だと思うので
それぞれの施設は一体何が違うの?
というのを解説したいと思います。
どこに頼っていいか分からない・・と言った声は多く、保健センター、乳腺外来を経て、助産院にたどりつく方も見えます。
希望するようなところを診てもらうまでに、時間も労力もかかってしまいますよね・・・。
母乳の悩みも多様、なので
このような悩みなら、この専門機関という「みなさんが分かりづらいところ」をお伝えできればと思います!
母乳を相談できる場所は?
まずは、母乳育児中のお悩みに相談できる場所を紹介します。
・出産した施設(病院・クリニック)
・助産院(施設・出張専門)
・出産していない病院
・乳腺外科クリニック
・保健センター
以上の施設が挙げられます。
それぞれの特徴、をまとめてみました。
・出産した施設(病院・クリニック)
出産した施設なので、顔見知りの助産師さんがいる面はとても心強いところですね!
料金も乳腺炎の場合、母乳の重症加算として保険が聞く場合があり2000円程度で受診できると思います。
病院となると、スタッフがたくさんいるので、どの助産師さんに当たるかで技術の差や、通うたびに違うアドバイスを受けたり、ということが起きることがデメリットとしてあげられるかなと思います。
また、コロナ対策で上の子も赤ちゃんも同伴できない施設が多く、授乳指導までしてくれないという現状があります。
・助産院(施設・出張専門)
助産院には来院してケアを受ける場合の助産院と出張専門の助産院があります。
料金はだいたい母乳指導料として4,000円が助産師会での料金表に習った価格です。
ほとんどが個人事業として一人の助産師で運営しているので、毎回同じ人にみてもらえるというのは大きなメリットだと思います。
そして、乳房ケアというのは大切な事業の一つなので、研鑽している助産師が多いです。
母乳ケア(乳房ケア)というのは、助産師国家試験に合格し働き始めてから研鑽していく分野です。
助産師学校の1年課程の中での「乳房管理」の学習はめちゃくちゃ浅いです。
なので助産師になったからといってスタートの時点から乳房管理ができるわけではないのです。その部分の勉強をしているのが、開業助産師です。
乳腺炎などのトラブルだけではなく、退院直後から「うまく吸えない」という悩みにも一対一でしっかりと診てもらえるところが多いのも特徴です。
・出産していない病院
母乳外来を掲げているクリニックなどは、出産していなくても受診が可能です。
乳腺炎も2,000円ほどでケアを受けられます。
今のご時世、出産した病院同様、子供の同伴が不可の施設が多く、担当する助産師も毎回変わる可能性もあります。
授乳指導まで含んでいるか、というのは問い合わせないと分からないと思います。
・乳腺外科クリニック
乳腺外科といえば、乳がんの診断や治療というのがパッと思いつくイメージかなと思います。
乳腺の病変の専門家になります。
感染を伴う乳腺炎の経過が悪いとき、「膿瘍」という膿の塊のようなものができていないか
エコーで診断したり、感染性の場合は抗生剤を処方したり、膿瘍の外科的な処置が必要な場合は治療をしてくれます。
しかし、医師の視点は感染・炎症を抑えること。
内服・点滴で感染兆候が治り、炎症の値が下がったら治療終了。
その経過で、投薬以外に助産師のケアが入るとこは少ないと思います。
(クリニックに助産師がいて乳房ケア(母乳マッサージ)もしてくれるところも中にはあるようです)
ケアをしない場合は、乳腺の開通をせずに、その後しこりが残った状態となるので、
炎症は治りお熱は下がっているけれど乳房の痛みが取れない・・と言った症状で
私の助産院に問い合わせてくるというパターンも実際にあります。
なので、内服が必要ないレベルの乳腺炎の場合は産婦人科や助産院の方が、不必要な薬を飲まずにすみますのでオススメです。
・保健センター
保健センターに在中しているのはだいたい、「保健師」さん。
行政なので、個別相談や体重測定も無料です。
継続的にみていく必要がある精神状態だったり、不安の強い方などは地区の担当保健師さんがついたり、
心強い存在ですよね!
しかし、母乳の専門家ではありません。
なので、助産院などの合間に赤ちゃんの体重を継続的に見守りたい時などは活用できると思います。
オススメの母乳相談先
やはり、母乳ケアを専門にしている助産院です。
オススメする根拠は、
母乳、乳房管理というのは1年の助産師過程で学習する内容はとても浅い内容で、ほとんど臨床で使えるものはありません・・・。
助産師になって仕事が始まり、そこから研鑽していく分野です。
助産師の中にも、分娩を極めたい人、外来での保健指導を極めたい人、母乳育児支援を極めたい人、
それぞれです。
助産院の助産師は、専門と唱っている手前母乳について研鑽を重ね、経験も豊富だと思います。
逆を言えば、産後に関わらない施設では全く知識がない助産師もいるということです。
もう一つのオススメの根拠は
一人の助産師に、かかりつけとして相談できるから。です。
みなさん入院中の助産師の関わりで一番モヤモヤするポイントといえば・・・。
部屋に回ってくる助産師によって言うことが違う!!というこではないでしょうか。
例えば、ミルクの補足の量など、部屋にやってくる助産師によって違うことを言うので混乱したという話をよく聞きます。
言われるがままにミルクを足していたのに、次に来た人に「なんで足してるの??」なんて怒られたとか><
知らんがなっ!!となりますよね。
やはり一人の助産師が、経過やその方の特徴を知った上で、みていけるのでポイントに沿ったアドバイスをもらいやすい。
ということがあります。
母乳の相談をする施設を検索するときのポイント
検索する時、選ぶときのポイントは、
・ケアの内容
・助産師のプロフィール
・理念
・実績
ということです。
まず料金が気になると思いますが、
乳房ケアの質によって、価値が全く違うのでこの部分が大切ではないかということをあげてみました。
料金は助産師会の規定では4,000円ですが、それ以外にも
初診料がついたり、出張料・交通費・市外の場合など色々加算されるので、
それぞれのHPで確認してみてくださいね。
では、それぞれのポイントについてです。
①ケアの内容
例えば、
「吸ってくれない」という悩みに対して、「母乳マッサージ」だけではおかしいですよね。
授乳指導で授乳をみてくれるかというところがポイントです。
例え「乳腺炎」や「白斑」でもその根本の原因は飲ませ方がほとんどなので、授乳指導がセットになっていないと、また乳腺炎を繰り返してしまうということも考えられます。
③助産師のプロフィール
どんな人間かという部分です。
みなさん、
どんな人にみてもらいたいですか?
それぞれきっと違うはず。
「とにかく大ベテランの方にみてもらいたい」
「優しそうな人にみてもらいたい」
「同じ育児世代の人にみてもらいたい」
などプロフィール欄から、どのような人間かというのも判断基準ですよね。
③理念
プロフィールで、歳や経歴、などはわかますが、
その人の考えまでは見えてこないですよね。
そこで
どんな理念を掲げているのか。
という部分もみて欲しいと思います。
その部分に自分が共感できると、その助産師さんとの相性はいいのではないかなと思います!
④実績
どれくらい母乳ケアをやっているかということ。
実際、母乳ケアとメニューには載っていても実質あまり活動されていないというところもあります。
しかし、だからと言ってオススメしないわけではなくて
しっかり知識としては研鑽しているはずなので、時間をかけてしっかり診てくれる可能性があります。
とは言っても
母乳も赤ちゃんもどちらも個体差があるもので、その掛け合わせで教科書上の知識だけではフォローしきれないことがあります。
なので、経験の多さはブログなどの発信で見ていくと判断できるのではないかなと思います。
私のページで依頼してくださる方は、
「授乳指導があると書いてあったので」
「出張してくれるのがありがたかったので」
「痛くないと書いてあったので」
と言ってくださる方が多いので、うちの助産院を利用してくれるみなさんが求めていることは、そのようなことなんだな〜と分析しています。
先日
「優しそうな人だったので」というのもうれしかったです♡
さて、いかがでしたか?
産後頼るところを、ここまで詳しく知る手段がなかなかないかと思います。
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育児中の皆様が、自分にあった施設を見つけ、快適な母乳育児を続けられることを祈っています!!